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「アイドルとコラボなんてダサくて無理」バンドメンバー VS マネージャーの話

2017.01.10

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こんにちは!Gerbera Music Agencyの金野(@konno108)です。
先日Twitterで、パーフェクトミュージックの劔樹人さんが描いたマンガを読みました。

▼劔さんのマンガはこちら
【新連載】30代、悩める男たちに捧ぐ――劔樹人の「さよなら、ハングリーデイズ」第1回「焼き鳥屋のチキンライス」

このマンガで書かれていた「とあるワンシーン」が、バンドが抱えがちな問題を浮き彫りにしていたので、今回はそのシーンをネタにブログを書きます。

photo credit: World Series Boxing WSB Season VI Quarterfinals – British Lionhearts vs Ukraine Otamans Day 2 via photopin (license)

ありがちなワンシーン

出所:【新連載】30代、悩める男たちに捧ぐ――劔樹人の「さよなら、ハングリーデイズ」第1回「焼き鳥屋のチキンライス」

メガネのおじさん(仮にマネージャーとします)は「せっかくのプロモーションのチャンスなんだから挑戦してみよう」という意見で、バンドのメンバーは「アイドルとのコラボなんてダサい。自分たちのイメージに合わない露出はしたくない」という意見ですね。対立してしまいました。

確かに、帽子をかぶったメンバー(↑)が「どっちの言うことも間違ってないんだよな・・・」と言いたくなるような気持ちは分かります。「言っていること自体」には間違いはなさそうです。

しかし、僕はマネージャーもメンバーも「考え方」が間違っていると思います。と言うか、ツメが甘い。
以下、理由を具体的に説明します。

マネージャー!ツメが甘いぞ!

まず、このマンガ全体から読み取れる「バンドを取り巻く状況」について整理すると、

  • バンドはメジャーデビューしてから4年
  • 最近は後輩のバンドに追い抜かれることも増え、メンバーは焦っている
  • この日演奏したのは恵比寿リキッドルームで、今度横浜のどこかのライブハウスでワンマンをする
  • 地上波の番組からオファーが来たのは久しぶり

です。
おそらく、「メジャーデビュー後に何枚かのアルバムを出してツアーを回るものの、なかなか販売枚数・動員が付いてこない」という状況であり、ワンマンで動員できるのは多くても1000人程度なのではないかと思います。停滞感が漂っている。そうすると、たとえ「深夜の関西ローカル番組」からのオファーだとしても、内容によっては魅力的ですよね。

ここでもう一度マネージャーの言動を振り返ると、以下2つが問題だと感じます。

①出演する番組名も明かさず、コラボするアイドルの名前も明かさない。番組側が何を意図してコラボさせようとしているのかも言わない(把握していない可能性すらある)
②「メジャーとの契約もいつまで続くかわからないし、せっかくの機会なんだから出演しよう」などと、誰でも言えるような発言に終止し、建設的な提案ができていない

おそらく、番組側から言われるがままメンバーに話を持ってきたんじゃないかと思います。「バンドにとって意味のある露出にしよう」という努力が言動から感じられません

まず、どんな番組で、コラボの相手がどんなアイドルで、番組側がどういう意図でオファーしてきたのか、どういう意図でアイドルとのコラボを企画したのかを確認して、出演オファーの背景をしっかりとバンド側に伝えるべきです。もしかしたら番組側が、バンド側のイメージを壊さないような演出を考えてくれているかもしれません。

また、バンド側にとって良い露出にならなそうであれば、バンド側が望んでいる「見せ方」を踏まえた演出をしてくれるよう、番組側と交渉すべきです(交渉の余地すらない場合もあるでしょうが)。こうした詳細確認や交渉を行うからこそ、「番組側」と「バンド側」の間に入ることに意味が生まれるわけですから。

バンドのメンバーも!ツメが甘いぞ!

また、バンド側もバンド側で問題があります。

まず、「アイドルとコラボ」と言われただけでダサいと決めつけているのがマズい。最近のアイドルのことをよく知らない・知ろうとしていないんでしょうが、ちょっと思考停止が過ぎます。もしかしたらコラボの相手が、自分たちと共演することで新たな化学反応が生まれるような魅力をもったアイドルかもしれませんから、番組側がどのような演出を想定しているのかマネージャーに聞くべきです。で、聞いたあとにオファーを断るなり、自分たちが譲歩できるラインを決めるなり、交渉するなりすればよいと思います。

せっかくの露出機会を自身の「決めつけ」でフイにしてしまう、とてももったいない事例だと思います。

また、余談ですが、他のメンバーも「マジか・・・せっかくのテレビ・・・」とか言ってないで、もったいないと思っているならその理由を主張して議論すべきだったと思います。

「見せ方」も大事だし、「露出すること」も大事。この2つは両立すべき

いまのバンドシーンを見ると、自分たちがどういう見せ方をすることがベストなのかを考えず、ただ露出すればファンが増えると思っている人が多い気がしますし、「自分たちのあるべき姿」みたいなものに固執しすぎてチャンスを失っている人も多い気がします。

「音楽性や外見、キャラ、アートワーク、客層などさまざまな要素が絡み合ってリスナーの記憶に蓄積される『イメージ』をコントロールしようとする試み」は、企業のコミュニケーション活動の文脈で言うと「ブランディング」にあたると僕は思っていますが、ブランディングとプロモーションは全く異なる概念であり、どちらも両立しなければいけないものです。

まとめますが、つまるところ「ブランディングかプロモーションか」という、二者択一的な考え方自体が間違いなんです。どっちを取るかの話ではなく、できるだけ両立しようと努力することが正解なんです。弊社がバンドのPRをサポートする際もここに細心の注意を払っています。

今回は、「露出することに固執しすぎたマネージャー」と「”自分たちのあるべき姿”に固執しすぎたバンドメンバー」の対立を劔さんが描いていらっしゃったので、このようなブログを書きました。

何かの参考になれば幸いです。


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