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音楽広告の遷移先論争〜YouTube直飛ばし vs スマートリンク〜

2024.02.05

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Photo by Saulo Mohana on Unsplash


「スマートリンクに飛ぶ広告も見かけるけど、

1ページ多く挟むことで面倒に感じて離脱してしまう人が多いのでは…? MV飛ばしとどちらが良いでしょうか?」

楽曲・アーティストプロモーションの一環として広告を実施する際、広告の遷移先をYouTubeなど特定のプラットフォームに直接遷移させるかスマートリンクにするか、悩まれる方が多いです。


結論からいうと、当社では遷移先として主にスマートリンクを推奨しています。
今回のブログでは、当社が広告遷移先を主にスマートリンクにしている理由について、以下3つの観点から解説していきます。

  • ユーザーフレンドリー
  • 運用型広告のPDCAを回す
  • 計測システムの有無とターゲティングの最適化

※今回のブログではDSPという言葉を多用しています。

これはSpotifyやAppleMusicなどのサブスクリプション型音楽配信プラットフォーム(Digital Service Provider)のことを指しています。

遷移先をスマートリンクにする理由

理由その1:数多くのDSPを一覧にでき、あらゆるDSPユーザーに対応できるから


例えば遷移先をSpotifyページにした場合、Apple Musicユーザーを取りこぼしてしまう可能性があります。

他方で「YouTubeなら老若男女多くのユーザーが使っているので最適だろう」とMVに直接遷移させるのが良いと考える方も多いです。


しかし、実際にYouTubeに直接遷移させた形式の広告を配信した場合、「この曲はSpotifyで聞けますか?」というコメントが広告を視聴したユーザーから多く付く印象です。特に海外のユーザーはYouTubeよりもSpotifyやApple Musicなどで楽曲を視聴する傾向が強くあるため、YouTubeのみの遷移となると、せっかくの各プラットフォームを活性化する機会を逃すことになりかねません。

その点、スマートリンクではSpotify、Apple Music、LINE MUSIC、YouTubeなどが一覧で表示されます。そのため、ユーザーが視聴したい媒体に遷移して楽曲を聴くことができるスマートリンクの方がリスナーフレンドリーと言えるでしょう。

また、スマートリンクにはTikTok、Instagram、XなどのSNSアカウントを記載できることから、DSPの再生数/フォロワー数やMVの再生数にプラスしてXやインスタのフォロワーなどを副次的に獲得でき、特定のDSPやMVに直接遷移させた場合と比較して広告を見たユーザーとのエンゲージメントを高めやすいと言えます。



・Linkfire(スマートリンクのひとつ)の一例

DSP以外にもさまざまなプラットフォームを掲載することができる

Linkfireの一例_GMAコラム


・広告経由でつくコメント一例

MV遷移の広告だったため、Spotifyでの配信を尋ねるコメントがついた



加えて、直接遷移の場合とスマートリンク遷移では広告から遷移した後の仕様も大きく異なります。具体的には、ブラウザで立ち上がるか、アプリで立ち上がるかの違いがあります。


直接遷移の場合

広告をクリック→Instagramアプリ内のブラウザで、各プラットフォームのブラウザ版が開く(アプリではないのでログインしていない状態)




スマートリンク遷移の場合

広告をクリック→Instagram内のブラウザでスマートリンクが立ち上がる→各プラットフォームのアプリ版が開く(アプリに飛ぶのでログインした状態)




このようにスマートリンク遷移の場合はログイン状態のアプリへ誘導されるため、Spotifyではフォローや楽曲のいいね、YouTubeではMVへの高評価やコメントを促進しやすくなります。

(直接遷移の場合だと、アプリ内ブラウザ上でID/Passを入力してプラットフォームにログインする必要があります。スマホでID/Passを入力するのはかなり面倒です)

また、ユーザーがスマートリンク上でYouTubeを選択・遷移した場合には特に大きな効果を発揮します。スマートリンクから遷移したユーザーはログイン状態のアプリ内でMVを視聴することになり、その結果として視聴履歴が記録されます。YouTubeは過去の視聴履歴に基づいて動画をおすすめ欄に表示するため、該当チャンネル内の動画がレコメンドされやすくなります。

一方、YouTubeへの直接遷移でInstagram上のブラウザ内で遷移し、未ログインのまま動画を視聴した場合は、視聴履歴が当該ユーザーのものとして記録されないため、上記のようなレコメンドは発生しません。

理由その2:スマートリンクを使用しない場合、中間指標が取れず広告の効果測定が難しくなるから


スマートリンクを使用しない場合、広告の効果測定を行うには下記の3点で評価していくことになります。

  1. 広告施策の状況評価は広告管理画面上で計測できる広告クリックなどの数値
  2. 遷移先となるプラットフォーム上での実際のフォロワー数や高評価数などの変動
  3. プラットフォームに合わせたアナリティクスの分析(Spotify for Artist、YouTube Studioなど)

1.については広告クリックの中には実を伴わないクリックが一定数含まれているため(広告をクリックした直後に離脱するユーザーなどがいるため)、正確な送客数を計測することは難しいです。

2.については、広告経由以外の流入も含んだ状態で表示されてしまうため、広告由来でどれだけの流入があったかを測定することはできません。

3.については、各プラットフォームのアナリティクス機能では計測日とデータの反映日に 2~3日のラグが存在するため、詳細な効果測定を行い施策の状況を判断するには時間を要します。

上記3点をまとめるとスマートリンクを使用しない場合は、即座に正確な状況の評価をすることが難しく、また正確に施策を評価する情報を集めるには時間を要するといえます。当然、広告へのテコ入れをするかの判断に時間を要するので、一回あたりのPDCAサイクルを回すための時間がよりかかることとなります。

これに対して、アクセス解析機能を備えたスマートリンクを使用した場合は、上記の3項目にプラスしてスマートリンク上の分析機能を使用して施策を評価できるようになります。イメージとしては1と2の間にスマートリンクでの評価が挟まる形になります。

例えばLinkfire上では国ごとのスマートリンクにアクセスしたユーザー数と最終的に各遷移先に遷移するためのボタンのクリック数を把握することができます。これにより、広告上でリンクをクリックした後どれくらいのユーザーが途中で離脱してしまうかを把握することができ、より正確に国ごとの施策状況を評価できるようになります。

また、スマートリンクのデータは即時反映されているため、ほぼリアルタイムで施策の評価を実施することができ、PDCAのサイクルを早く回すことが可能になり、限られた予算を効果的に使用することができます。PDCAサイクルを回す大切さについては下記当社のブログ記事をご参考ください。

■「ストリーミングヒットを生むために必要な取り組みと、当社が寄与できること」

https://gerbera-music.agency/blog/streaming-hit-pdca/


その3:広告のターゲティングにおける最適化精度を高められるから


Web広告をより効果的に運用していくためには、広告を通じて発生したユーザーの行動データを収集し、ターゲティングに活かすことが重要になってきます。最近はYouTubeに直接遷移させる形式の広告も多く見かけますが、ターゲティングの最適化精度を高めるのに最も重要な計測タグを使用できません。YouTubeには計測タグが埋め込めないからです。そうすると、楽曲を気に入ってくれる可能性が高いユーザーを特定することが難しくなります。

対して、広告遷移先がスマートリンクの場合は、計測タグの埋め込みが可能です。計測したユーザーの行動データをターゲティングの最適化に活かすことによって、楽曲を気に入ってくれる可能性が高いユーザーに広告を優先表示させることができ、より成果を上げることができます。


なお、当社はコンバージョンAPIという仕組みを導入しているため、近年のCookie規制によって起きている行動データの計測漏れへの対策も行っており、より高い最適化精度を担保することができています。

▼参考資料

■「コンバージョンAPIとは?」

https://gerbera-music.agency/blog/conversionsapi/

■「音楽業界の広告における「コンバージョン」の意味と重要性」

https://gerbera-music.agency/blog/what-is-a-conversion/



以上3つの理由を踏まえ、当社では広告の遷移先としてスマートリンクをおすすめしています。


ただし、広告の目的や広告を通じて得たいと考えている定量的な成果、実施するエリア、予算などによってベストな遷移先は変化しますので、当社ではそれら与件を整理しつつ遷移先を提案させていただいております。

▼当社へのお問い合わせ

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScpKVFQv0Qm5uKvBArO-7d3tjyFZzaopC_5jxNMquHK1rAn2g/viewform

▼広告運用に関する悩み・質問はこちらから

https://peing.net/ja/736936917ecd12

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