「2021年のレコード会社に必要なのは20〜30代若手社員への権限委譲ではないか」というのがこの記事の結論です。

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音楽業界にもDXが求められている

2020年の音楽業界に起きた変化を一言で表すと「プロモーションの民主化」ではないかと思います。テレビ番組やタイアップをはじめとした、これまで重要視されていたプロモーション手段は依然重要である一方で、それらを凌ぐ勢いで一気に台頭したのがUGC(ユーザー生成コンテンツ)でした。UGCによって押し上げられたRin音はミュージックステーションに、YOASOBIや瑛人は紅白に進出したのは象徴的な出来事だったと思います。ヒットを左右する最も強大なパワーを所有しているのがリスナー自身になりました。有効なチャネルがほぼマスメディアに限られていた20年前と比べると非常に大きな変化で、「ゲームのルールが変わった」と言えます。

正確には、変化自体はすでに10年前から起きていたと思います。米「TIME」誌の編集部が年間を通じて最も活躍した人物を決定する「Person of the Year」に、著名人ではなく「You」が選ばれたのは2006年でした(同年、最も優れた発明を決定する「Invention of the Year」には「YouTube」が選出されています)。10年以上前からデジタル民主主義の主権はユーザーに移り変わり始めていました。この潮流が2020年に決定的になったのは、各種ストリーミングサービスの普及、デジタルディストリビューターの台頭、TikTokの登場をはじめ、「UGC爆発がフェンベース拡大に直結するような環境」が整備された影響が大きいのではないかと思います。

リスナーは消費者であると同時にコンテンツのクリエイターであり、プロモーターになりました。UGCやアルゴリズムの仕組みを知り、早急にこれらに対応していく必要があります。

これらを踏まえ、いまレコード会社に求められているのは、他業界同様にDX(デジタルトランスフォーメーション)ではないか と考えています。

若手への権限委譲を以下に進められるかがカギ

経済産業省(以下、経産省)が発表した「DX推進ガイドライン Ver.1.0(平成30年12月)」によると、DXは以下のように定義されています。

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること

この定義のなかで重要なのは、DXはITツールを導入するだけでは全くダメで、組織やプロセス、企業文化ごと変えていかなければならないという点です。

弊社のクライアント(主にレコード会社)と接している印象だと、上記のようなことはクライアント自身が一番理解していると思います。ただ、現場が変化していく意志を持つだけではなかなか推進できないのがDXであり、組織の難しさだと思います。

何が良いたいかと言うと、「20〜30代若手への権限委譲」がセットになって始めてDXは推進されるのではないか ということです。
※なお、権限委譲の対象を「20〜30代若手」としているのは、2021年現在のリスナーを取り巻く環境を肌感で理解できるのはやはりこの世代だからです。40代50代でもDXを推進している方はたくさん知っていますが。

具体的には以下のような項目です。

1. 予算…予算が十分になかったから十分なチャレンジ/検証ができなかったという結果にならぬよう、リーダーが必要と考える制作予算/プロモーション予算を付ける

2. 人事…リーダーがベストだと考えるチームを組めるような人員配置

3. 評価指標…ストリーミングから得られる収益の時間軸を踏まえ、短期で結果を出すことを求めない。

また、意思決定と実行を高速で行っていく必要があるため、チームはできるだけコンパクトで、既存組織から切り離されていた方が良いのではないかとも考えています。

なお、具体的には以下のような取り組みが増えていくことが重要だと思います。本当に素晴らしい挑戦だと思います。

・トイズファクトリーが新設した”VIA”仕掛け人に訊く——SNS・デジタル配信時代にアーティストとレーベルはどう交わるのか
https://spice.eplus.jp/articles/279619

音楽業界のDXを考えるうえで、例えば以下の箇所が参考になると思います。

——短期的に収益を上げることを求められることはないですか?

もちろん収益を上げることは大事ですが、リクープライン、損益分岐点を意識しすぎると、クリエイティブなものは生まれづらいとも思っていて。最初からバジェットを決めすぎてしまうと、できることが限られるし、クリエイティブの選択肢が減ってしまう。特にストリーミングに特化したアーティストの場合、まずはいい曲をじっくり作って、中・長期的に伸ばしていくべきだと思いますね。ただ、そこは自信があるんですよ。アーティストのポテンシャル、楽曲の良さを含めて、必ず広がっていくはずだと思っているので。

これはまさに評価指標におけるお手本のようなもので、ストリーミングで中長期的に収益を積み上げていくことを前提に評価指標が組まれているのではないかと推察します。

——なるほど。では、現時点でのVIAのレーベルとしての強みは?

ここをきちんと話さないといけないですね(笑)。まず、ディストリビューターのThe Orchardと組んでいることですね。Apple Music、Spotifyなどで配信すれば世界中で聴けると思われがちですが、じつは中国をはじめ、カバーできていない国や地域もかなりあって。世界的にストリーミングが中心になるなか、配信できない国があるのは、スタートラインにも立ててない状態。The Orchardと提携することで、本当の意味での世界配信ができるのは大きな強みだと思います。もう一つは、音楽ビジネスのデータ分析、デジタルプロモーション、マーケティングの専門家である松島功さんにもスタッフとして参加していただいています。我々が感覚的にやってるプロモーションに対して、データ的な裏付けのもとにアドバイスしてもらったり、数字を伸ばしているアーティストの分析、ブレストなどにも加わっていただいて。外部の方と組むことで気づけることは本当に多いなと実感していますね。

どうしても自前主義な取り組みになりやすいなか、必要に応じて外部のプロフェッショナルと組んでいく姿勢が素晴らしいと思います。特に、レコード会社がディストリビューション機能を外部に委託するのは、難しい決断だと思いますので…

すでに各社水面下で動いていらっしゃるとは思いますが、上記のような取り組みが増えていくことが今後非常に重要なのではないかと思います。

そしてさらに重要なのが、これら取り組みから成功事例が生まれ、よりDXに舵を切れるような「空気」が社内に生まれることだと思います。弊社が貢献したいと考えているのもまさにここです。広告事業を通じて、主に海外リスナーの獲得を促進することで成功事例の創出に取り組んでいきたいと思いますし、実際に昨年から取り組んでいます。リスクを取って手を上げた方に出世してもらうことがDX促進につながると考えていますので、弊社としてはそれを実現すべく広告配信における知見をひたすら蓄積し、貢献していきます。

最後は若干自社の宣伝になってしまいましたが、現状考えていたことをまとめてみました。

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