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「Spotifyで楽曲をリリースしたは良いけど、Spotify for Artistsって何ができて、どうやって見たらいいの?」
初めてSpotify for Artistsを見た方は何ができて何に活用できるのか、未知のツールに感じると思います。
アーティスト活動をより効果的に進めていく上で、Spotify for Artistsの活用は非常に重要でありマスターしておきたい項目です。
当社は広告代理店ではありますが、広告上の数値だけではなく実際にDSPなどにどういった広告の効果が表れているかまでを指標に日々運用をしております。そのため、Spotify for Artistsは欠かせない存在です。
今回のブログでは、弊社がクライアントさまと関わっていく中で重要だと感じたSpotify for Artistsの活用方法について解説していきます。
Spotify for Artistsとは?
Spotify for Artistsは、音楽ストリーミングサービスであるSpotifyが提供するアーティスト向けのプラットフォームです。Spotifyで楽曲をリリースしている方であれば誰でも無料で使用することができます。
※アクセス権の付与をしたら、登録を行った本人だけではなく複数人で閲覧・管理することも可能です。
Spotify for Artistsには以下のような多彩な機能がありますが、今回はアナリティクスについて詳しく解説していきます。
- アーティスト写真の更新
- アナリティクス
- ピッチング
- 歌詞の編集
- アーティストグッズの宣伝
1.アナリティクスの概要
アナリティクスでは、主に以下の機能があります。
①オーディエンスのセグメントデータや、音楽が聴かれている地域などを確認できる
②期間や地域を絞ることができる
③リスナーや再生数、セーブ数などを確認できる
リスナーや再生数などのオーソドックスなデータについてはすでに触れている方が多いと思いますので、こちらでは詳しい説明は割愛させていただきます。
詳細は以下をご参照ください。
https://support.spotify.com/jp/artists/category/audience-stats/
分析時に確認したいポイント
ここからは、アナリティクスの中で当社がどの項目を重視しているのかについて解説していきます。
1.アクティブオーディエンス
「アクティブオーディエンス」と聴いて、Spotifyのこの項目だ!と思い浮かべられる人はどれくらいいるでしょうか?世の中のメディアを見ても、このアクティブオーディエンスについて言及しているものに出会ったことがありません。
しかし、当社ではアクティブオーディエンスを非常に重要な項目として捉えています。この指標について、Spotifyは以下のように定義しています。
過去28日間にアクティブなソースから能動的にあなたの音楽を再生した貴重なリスナーです。アクティブなソースには、あなたのアーティストページ、リリースページ、自身のライブラリやプレイリストなどが含まれます
また、アクティブオーディエンスを詳しく見ると3つの主要な層に分類されます。
スーパーリスナー:
過去28日間にあなたの音楽を最も熱心に再生したリスナーです。今後もあなたの音楽を再生し続ける可能性が最も高いリスナーでもあります
モデレートリスナー:
過去28日間にあなたの音楽を何度も能動的に再生し、スーパーリスナーになる可能性があるリスナーです
ライトリスナー:
過去28日間にあなたの音楽を1回または数回、能動的に再生したリスナーです。今後、モデレートリスナーになる可能性があります
アクティブオーディエンスは、Spotify for Artistsのオーディエンスページにあるセグメント欄から確認することができます。
この層は以下のようなアクションを起こすことが期待できるため、アーティストにとって非常に価値のあるリスナーとなります。
・ライブに足を運ぶ
・アーティストのSNSアカウントなどでコメントをしてくれる
・オンライン/オフラインでの口コミを通じて他のリスナーに影響を与える
アクティブオーディエンス、特にスーパーリスナーを増やすことに成功すれば、デジタル/フィジカルどちらにおいてもアーティストへの貢献は大きなものとなるでしょう。
分析のポイントとしては、楽曲のリリース日からどれくらいアクティブオーディエンスが増えているのか、確認してみるのが良いでしょう。
当社では、広告実施前と実施後のアクティブオーディエンスおよびスーパーリスナーの増加量を重要な指標の一つとしています。
できるだけ長く多く楽曲を聴いてくれるリスナーに広告を届けるため、広告配信中にターゲティング戦略を微調整し、広告効果の最大化を追求しています。
▼アクティブオーディエンスが広告プロモーション後に増えている例
青線・・・アクティブオーディエンス
2.ストリーミングの内訳
オーディエンスの「ストリーミングの内訳」では、どの流入経路でユーザーが音楽を聴いているのかを把握することができます。
例えば、リスナーを「アーティストページとディスコグラフィー」と「エディトリアルプレイリスト」でセグメント分けすると、グラフの上で全く別の動きをしていることがわかります。セグメント分けをすることで、合計のリスナー数ではわからない意外な傾向が見えるかもしれません。
エディトリアルプレイリスト経由のリスナーが増えている場合、Spotify公式のプレイリストで聴いた新規のリスナーが増えていると考えることができます。
「リスナーのマイプレイリストとお気に入り」経由の再生数が多い場合は、既存のリスナーが何回も楽曲を聴いてくれている状況かもしれません。
新規のリスナーを多く獲得していきたい!と考えているアーティストにおいて、「リスナーのマイプレイリストとお気に入り」からの再生が多くプレイリストなどからの再生が少なければ「新規層へのリーチが足りないのでは?」と推察することができます。
楽曲リリース後にこのようなデータを分析することで、次のリリースのための戦略立案に役立てることが可能です。
なお、広告経由の再生については「アーティストページとディスコグラフィー」に反映されることが多いです。
オーガニックの再生が大きく、広告からの流入が見えづらいアーティストさまなどにおいて、「アーティストページとディスコグラフィー」経由の再生が増えているかなども指標に入れ運用・レポートを行っております。
「ストリーミングの内訳」の詳細はこちらです。
■アーティストページとディスコグラフィー:アーティストページから楽曲が再生された場合のデータ
■リスナーのマイプレイリストとお気に入り:リスナーが自分のプレイリストやお気に入り内から再生した場合のデータ
■Spotifyエディトリアルプレイリスト:エディトリアルプレイリストから楽曲が再生された場合のデータ
■Spotifyアルゴリズムプレイリスト:アルゴリズムプレイリストから楽曲が再生された場合のデータ
■リスナーのキュー :音楽が [次に再生] に追加された後、実際に再生された場合のデータ
■パーソナライズド・エディトリアルプレイリスト :Spotifyエディターにより作成され、リスナーのテイストに合わせてパーソナライズされたプレイリストで音楽が再生された場合のデータ
■Radioと自動再生 :音楽がSpotify Radioで再生された場合、または任意のアルバムやプレイリストの楽曲、選択された楽曲がすべて再生された後に自動再生された場合のデータ
■チャート :Spotifyアプリの「トップ50」チャートや「バイラルトップ50」チャートで音楽が再生された場合のデータ
Spotify for Artistsを活用する際、楽曲リリース後に「再生数」や「リスナー数」がどれくらい伸びているかを確認するだけにとどまっている方もいるかもしれませんが、本記事でご紹介した2つの項目を見てみることで、新しい示唆が得られるかもしれません。
当社では、この2つの項目以外にもSpotify for Artists上の「オーディエンス」「地域」「プレイリスト」「統計データ」などさまざまな情報を参考にして、広告運用を行っております。ぜひSpotify for Artistsを積極的に活用していただき、プロモーションや次回リリースの戦略を考えていただければと思います。
Spotify for ArtistsのQ&A
ここからは、当社が広告運用をしていく中でお客様からいただく「Spotify for Artists関連の質問」についてQ&Aをまとめていきたいと思います。
「普段気になってはいたけど意外と知らなかった」、というポイントがあるかも知れませんので、ぜひご一読ください。
Q:Spotifyの再生数はどうやってカウントされる?
A:Spotifyが発表しているカウント方法は以下となっています。
楽曲再生:リスナーが楽曲を30秒以上再生するとカウントされます
Q:Spotify for Artistsのデータが更新されるのはいつ?
A:Spotifyが発表している更新タイミングは以下となっています。
Spotify for Artistsでデータがアップデートされるタイミング:データは1日に1回、15:00 (東部標準時)/20:00 (協定世界時) 頃に更新されます。ニューリリースの最初の7日間は、リアルタイム再生数が表示されます。リアルタイム再生数は、2秒ごとに更新されます。
※基本的にはSpotify for Artistsの更新にはタイムラグが起こります。おおよそ2日ほどのタイムラグが発生する点は注意です。
例:1月1日のデータを見れるのは、1月3日。ラグは2日〜3日程度発生します。
Q:プレイリストの種類の違いは?
A:Spotifyが発表している定義は以下となります。
パーソナライズされたプレイリスト
パーソナライズされたプレイリストは、リスナーごとに異なります。アルゴリズムによって、さまざまな外的要因と個人的要因に基づいて作成されます。たとえば、リスナーが再生するコンテンツやタイミング、プレイリストに追加している楽曲、好みが似ているユーザーのリスニング傾向などです。
エディトリアルプレイリスト
Spotifyには、何千ものエディトリアルプレイリストがあります。すべてのエディトリアルプレイリストの注釈には、Spotifyロゴのみが表示されます。選曲はSpotifyのプレイリストエディターが行います。Spotifyのエディターは、さまざまな経歴を持ち、ジャンルやライフスタイル、文化に精通した専門家です。世界中の音楽を発掘できるよう、プレイリストの多くは、世界各地にいる複数のエディターによって作成されています。
Q:月間リスナーが広告実施時期において減少しました。広告のおかげでリスナー数は増えたのに、なぜでしょうか?
A:まず、月間リスナー数の定義について以下に記載します。
月間リスナーとは、過去28日間の合計リスナー数で、あなたの音楽をアクティブなソースやプログラムされたソースから再生したリスナーが含まれています。
広告実施中にリスナーが増えたとしても、それより以前のリスナーが多い状態であれば必然的に「広告実施期間中でも月間リスナーが減少する」という状態は起こってしまいます。
例として以下の図を用いて説明いたします。
月間リスナー計測開始日付近においてリリースなどの大きな露出があった場合、プレイリストなどに入った影響で一時的にリスナーが増加します。
ここで月間リスナーが一気に増加しますが、次第にプレイリスト落ちなどの影響で月間リスナーは減少していきます。その後に広告配信をして順調に月間リスナーが増加していったとしても、オーガニックでの大幅な減少を広告で補填できない限りは月間リスナーはマイナス着地となります。
これはオーガニックが大きいアーティストであればより顕著に現れます。
Q:広告でSpotifyフォロワーを獲得できたのですが、リスナー数が増えていないのはなぜでしょうか?
A:広告経由で獲得したフォロワーの中には、一旦フォローはしたが楽曲は聴かないリスナーも一定数存在します。
広告を見ている=デバイスを触っている間にゆっくり音楽を聴く環境がなく、あとで聴こうとしている。などなど理由はさまざまですが、フォローをしてくれたからといってすぐに楽曲も聴いてくれるわけではありません。
そういったリスナーたちにアクティブになってもらうためには、定期的に楽曲をリリースして「Release Radar」などのプレイリストから聴いてもらう導線を引くと良いでしょう。
▼当社へのお問い合わせはこちらから
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