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音楽アーティストのデジタル広告施策で追求すべきは「量」なのか、「質」なのか?

2024.08.05

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幾何学模様
Photo by BoliviaInteligente for Unsplash.

楽曲プロモーションを目的としたデジタル広告はざっくり分けて「量」と「質」という評価軸があります。YouTubeのインストリーム広告を実施した結果、MVの再生数は伸びたのにファンベース増加には全く繋がらなかったケースは、「量は担保できたが質は全く担保できなかったパターン」の典型です。

楽曲プロモーションを目的としたデジタル広告において追求すべきは「量」と「質」のどちらなのでしょうか? もちろん「量」も「質」も担保できるような広告キャンペーンが最も良いわけですが、果たして両立することはできるのでしょうか? 今回はこれをテーマにブログを書きます。

「量」の広告、「質」の広告

「量」を追求した広告キャンペーンは、「再生数」や「フォロワー数」といった定量的な指標の向上を目的としたものです。典型的なものとしてはYouTubeのインストリーム広告が挙げられます。インストリーム広告は動画視聴中に差し込まれるように流れる動画広告で、広告として使用している動画が30秒以上視聴されると1再生として計上されるため、公開したミュージックビデオの再生数を増やすことを目的に使用されます。

インストリーム広告のイメージ(Google広告 ヘルプより引用)

対して、「質」を追求した広告キャンペーンは、実態の伴ったファンベースの獲得を目的としたものです。典型的なケースとしてはInstagram広告(フィード、ストーリーズ、リールなど)が挙げられます。Instagram広告は楽曲を継続的に聴いてくれるような熱量の高いリスナーを獲得しやすいプラットフォームであるため、国内外を問わず、健全なファンベースをつくりたいときに使用される傾向があります。このときの評価指標は再生数やリスナー数のような実態が分かりにくいものではなく、アクティブオーディエンス数やスーパーリスナー数をはじめとした「リスナーの能動性」の伴った指標を使用するのが望ましい認識です。その他、SNSでの反響といった定性的な指標も重視されます。

それぞれのメリット・デメリット

「量」を追求した広告キャンペーンのメリットは、何と言っても見栄えが良くなることです。リスナーのみならず、業界関係者も国内外を問わず再生数やフォロワー数、リスナー数といった分かりやすい数値でそのアーティストの規模感や勢いの有無を判断します。そのため、最新作のミュージックビデオの再生数を前作よりも早く伸ばして勢いを演出したい際に使用されたり、アーティスト本人のモチベーション向上のために使用されたりします。フェスや番組などのブッキングのハードルとしてフォロワー数が設けられているケースもあり、これをクリアするために広告が使用されることもあります。

対してデメリットは、量を追求しすぎると実態を伴っていない数値だけが積み上がってしまい、ファンベース拡大という本質的に重要な課題からはかけ離れてしまうことです。「YouTube広告でMVの再生数は30万回伸びたけど、高評価/コメント/動員には全く繋がらなかった」といったような経験をしたアーティストや業界関係者の方も多いのではないかと推察します。

「質」を追求した広告キャンペーンのメリットやデメリットは「量」の反対です。見栄えの良さには貢献しにくい一方で、実態の伴ったファンベースの獲得が可能です。広告きっかけでアーティストや楽曲を知ることができて喜ぶリスナーのコメントをSNSで多数確認することができます。

再生数10万回でファンが10人増えるのが「量」を追求した広告キャンペーンだとしたら、再生数3万回でファンが100人増えるのが「質」を追求したキャンペーンです。

「量」と「質」のバランスを取る方法

ここまで読んだなかで、「中長期的にアーティストのためになるのはファンベースなわけだから、質を追求すべきじゃないか?」と思った方は多いかもしれません。私も基本的には同意見ですし、まだ規模の小さいアーティストほど質を重視すべきだと思います。ただし、関係者が多く大規模なアーティストであればあるほど、そのプロジェクトを円滑に進行するために見栄えを重視しなければならないケースは少なからずあり、量か質かの議論を断定的には語れないというのが実態なのではないかと思います。

そうした状況も踏まえれば、「量」と「質」のバランスを上手に取りながら広告キャンペーンを実施していくという選択がベターになります。このバランスの取り方には大枠2つのパターンがあります。

1. 予算配分でバランスを取る
2. 1つの広告キャンペーンで質と量の両取りを狙う


1については簡単です。量を担保するような広告キャンペーンに予算の●割、質を担保するような広告キャンペーンに予算の◯割を割くといったバランスの取り方です。それぞれを別の軸で評価すれば良いので、効果測定もシンプルになります。

2はひとつの広告キャンペーンにおいて、目に見える数字もしっかり伸ばしつつファンベースも拡大させるようなハイレベルな運用を追求するということです。音楽アーティストのために実施されるデジタル広告において質と量の両方を得られるようなメニューは基本的にほとんど存在しませんので、運用の知見や技術でカバーする必要があります。また、広告を依頼する側においても、質と量のバランスを6:4にすべきなのか3:7にすべきなのかといった判断が求められます。広告を開始する前にこの方針を事前に取り決めておくことが重要です。

ひとつ具体的な例を挙げます。YouTube広告をインストリーム広告orインフィード広告のいずれかで運用する従来型スタイルで実施するか、インストリーム/インフィード/ショートの3面同時出しが可能なマルチフォーマット形式で運用する新スタイルで実施するかといったものです。前者は量的な指標、つまりMVの再生数をとにかく最大化させたいときに有効です。後者は質的な指標、つまり広告を通じて得られる「定性的な反響」や、チャンネル登録者・高評価といった「よりファンベース獲得に近い数値」を獲得していく際に有効です。

マルチフォーマット広告のイメージ

Googleの調査分析や統計情報を知ることができる「Think with Google」にて2023年10月に公開された記事によると、2023年7月の調査でYouTube ショートの 1 日あたりの平均視聴回数は前年比110%以上の増加と大きく成長しました。また、同社実施のアンケートの結果、Z世代(18 歳〜24 歳)のうち70%はYouTubeショートを利用していると回答したようです。

このようにYouTubeショートはとりわけZ世代に対してYouTube広告でリーチするにあたっては欠かせない面となってきているため、質的パフォーマンスを重視するようであれば確実に出しておきたい面です。ただし、YouTubeショート面にも広告を配信するということは「16:9の長尺動画」と「9:16のショート動画」とで獲得できる再生数が割れるということです。つまり従来型のインストリーム広告などと比較すると再生数が獲得できない可能性があります。

この点を踏まえ、質的指標を重視してショート面を含むマルチフォーマット形式で広告を配信するか、量的指標を重視してインストリーム/インフィード広告のみを配信するかという選択肢が生まれます。例えばこうしたケースにおいて意思決定をスムーズにできるため、広告を開始する前に質or量の方針を広告主側が決めておくことに価値があります。

結論

デジタル広告を実施するにあたり、量を重視するか、質を重視するか、バランスを取るかといった議論は前述の通りケースバイケースで判断されるべきものだと思います。そのうえで、大事なことは担当アーティストを取り巻く状況やマーケティング・コンセプトに応じて広告主さま側が適切な方針を決められることだと思います。また、これら多様な選択肢に応えられるデジタル広告のパートナーとの関係性を予め築いておくことだと思います。

当社は明確に「質」側にポジションを置いているデジタル広告代理店です。近年、「質」や「量と質のバランス」で高いパフォーマンスを示せるような努力をしてきましたし、相応の実績も積み上げてきました。
デジタル広告において「量」だけを追求する分にはそこまで高い専門性は必要ないですが、「質」の追求はより難易度が高く、専門性が求められます。「量と質のバランス」を取るにはさらに高い専門性が必要です。当社のようなデジタル広告代理店の存在意義はこの専門性にあると考えています。


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