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先月初め、VANQUISH CEOの石川涼さんが書いたブログが話題になりました。テーマは、影響力をもった個人を指す「インフルエンサー」とインフルエンサーを起用したマーケティングについて。
今はミーハーな田舎の子達や情報弱者のおじさんおばさん達を騙して効果があるのかも(どうなのか知らないけど)しれないけど、近い将来SNSに上がりまくっている商品は全てお金をもらって書いているんだと、みんなが気づく日が必ずきます。
本当にいいものはお金なんてかけなくても勝手に宣伝されるんですよ。
インフルエンサー?
こんなマーケティングで売れるなら全員売れてるでしょう?
そんなものに頼ってる時点で思考が停止している証拠なんです。
この件、自分もかねてから思うところがあったので書いておこうと思います。
汚染が進行するInstagram
インフルエンサーマーケティング、自分の周囲でも流行っています。
広告主側からすると自社の商品・サービスを手っ取り早く広めることができて数字も見えやすい(数字がそのまま成果につながるかは別問題だけど)し、インフルエンサー側も手軽にお金を稼ぐことができる。ここ数年でプラットフォームの数も飛躍的に増え、インフルエンサーマーケティングバブルの様相を呈している時期だと思います。
このように一気に流行した手法では、以下のような雑な案件も出てくるわけで…
その後、フォローしているインスタグラマーの中でも同じような投稿を何度か見かけました。ほかのブランドのアクセサリーを頂いている人もいるけどダントツで多いのが有名な時計ブランドのダニエルウェリントンでした。恐る恐るハッシュタグ検索で#ダニエルウェリントンと検索すると「ダニエルウェリントン様から素敵なプレゼントをいただきました」の多さに驚きました。だれがもらえるの?だれでももらえるの?もやもや。
「ダニエルウェリントン様から素敵なプレゼントを頂きました」について考える
ここまであからさまかどうかはさておき、似たような事例はチラホラ見られますし、ネットリテラシーが高い人たちにはもう完全にバレてます。
怪しい投稿を見つけたときに、商品のハッシュタグを通じて似たような投稿をしているインフルエンサーを芋づる式にチェックしている知り合いもいます。石川さんが仰るように、みんなが気づく時期が来るのは時間の問題だと思います。
Instagramって「ユーザーのリアルな声」が拾えるところが大きな魅力の1つであり、服や旅行先を決める際に役立つ「検索ツール」としても機能していると思うんですが、こうした雑なキャンペーンがハッシュタグや検索でしばしば引っかかってくるようになるとユーザー・広告主・インフルエンサー・プラットフォーム・マーケターみんなにとってよろしくないなぁと思っていました。
あと、お金もらって投稿している感がプンプンするのに「PRタグ」ついていない投稿をよく見かけるんだけど大丈夫なのか…今回はステマ問題には言及しませんが…
「信用を失うリスクを負っている」という感覚があるかどうか
こうした状況のなか、インフルエンサーと広告主それぞれに求められる態度があると思います。
まずインフルエンサーは『お金と引き換えに信用を失うような投稿を控えること』。お金がもらえるからといって好きでもないものを安易に推奨しないという方針をもつこと。
たとえばキングコング西野さんは以下のような方針をもっているようです。
端的に言っちゃえば、「自分が使っていないもの(自分が心から良いと思えていないもの)を、お金を受け取ったからといって、お客さんにススメると、信用が落ちるんじゃね?」です。
CMオファーは慎重に選べ
自分が他人にモノをススメる時は、一度、自分もキチンと体験して、「本当に良い」と思ったモノしかススメない、という話。
CMオファーは慎重に選べ
「お金を積まれたからGO!」という判断は下さない。
お金は手放してもいいが、信用は手放さない。
CMでもSNSでも気をつけなければいけないポイントは同じだと思います。自分のお客さんやフォロワーに何かを薦めることは、信用を失うリスクを負うということ。この意識があるかどうか。
具体的には、
- 元から「良いな」と思っていた商品・サービスからの依頼を受けること
- 依頼を通じて商品・サービスを気に入ることができなかった場合は依頼を断ること
こうした制約を自らに課しておくことが大事だと思います。
ダメな商品のゴリ押しに使うマーケティングではない
次に広告主に求められる態度ですが、これは2つあると思います。
ここまで負の側面を書いてきましたが、インフルエンサーマーケティングは良い商品をつくっていい巻き込み方ができれば本来は効果的なマーケティング手法だと思います。たとえば以下Snapmart代表のえとみほさんのインタビュー記事。
見ている人はそんなにバカじゃない。「お金をもらってやってるんだな」っていうことはわかっちゃうんです。結局、商品が良くなかったら、ユーザーもすぐに離れてしまうので、意味がないですよね。どんなマーケティングをするにせよ、やっぱり大切なのは、プロダクトの力だと思っています。
「やりすぎ」厳禁!えとみほ流・失敗しないインフルエンサーマーケティングの方法とは
本当にその通りだと思います。どんな施策を打つにしても、商品・サービス自体に魅力がなければマーケターの手を離れるほどの広がりは生まれない。大枚はたいてゴリ押せばある程度は広がりますが、そこから自然に口コミが連鎖していくことはない。その意識を前提にしたうえで、商品・サービスと相性の良いインフルエンサーにできるだけ自然なかたちで推奨してもらえるような企画を立てることができるかどうかだと思います。チームGMAとしてもそこにこだわりたいと思っています。
この記事はどちらもうまく行っている事例なのでご興味ある方はぜひご一読を!
※引用箇所の太字は筆者によるものです。
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