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“デジタルマーケティングはデジタル時代のマーケティングを考えることだ”←これどういう意味??

2017.08.08

Detail

今回の文章はだいぶマーケティング寄りの内容になりますが、音楽プロモーションやPRにも関連があるので書きます。

photo credit: Sole Treadmill smartphone via photopin (license)

“デジタル時代のマーケティング”って何だ??

最近しばしば、
「デジタルマーケティングはデジタル時代のマーケティングを考えることだ」といった発言を目にする機会が増えてきた気がします。

で、それは具体的にどういう意味なのかを見てみると、
「インターネットに限らず、あらゆるチャネル(看板や店舗の端末など)がデジタル化しているので、それらも消費者接点のひとつとして考える必要がある。マスもデジタルも横断した、統合型のマーケティングが求められている」みたいなことが書かれていることが多いのですが、

本当にそうなの?????

確かにマスやデジタルにとらわれない視点で企画するのも重要ですが、仕掛ける側の視点からの発言でしかないと思います。デジタル時代のマーケティングを考えるうえでまず触れなければならないのは、マーケティングの主導権が企業側から生活者側に移ったことだと思うんですよね。

以下、どういうことか書いていきます。

テレビショッピングの商品は情報の裏を取ってから購入する

検索エンジン・SNS・スマートフォンの普及によって生活者の行動・習慣・情報に対する態度がガラッと変わりました

生活者はそれぞれ、欲しい情報をいつでもどこでも簡単に得られるようになりました。また、自ら情報発信できるようになり、生活者同士のコミュニケーションも容易になりました。

その結果、企業が発信している情報の裏を取ることも、他の情報と比較することも容易になりました。情報の信憑性や良し悪しをいつでもどこでもチェックすることができるようになりました。

たとえば自分がAというホワイトボードの広告をたまたま見て、「めっちゃ軽くてコンパクト!」みたいなアピールポイントに魅力を感じたとします。「へぇ、本当に軽いのかな?」と思って検索してみると、「AよりBの方が軽い」とレビューサイトに書き込まれているのを見かけました。「なんだ、一番軽いわけじゃないんだ…」。次に、TwitterでAという商品が気になっているんですけど、買った人いますか? とツイートします。すると「Aはまぁまぁ軽いけど、使ってるうちに文字が消えにくくなったからやめたほうがいい」と知人からリプをもらいました。「うわ…それは嫌だわ。長く使いたいし…」。結局、商品Aは買いませんでした。おしまい。

…みたいなことが生活者の間で日常的に発生するようになったのがデジタル時代だと思います。
企業が発信する情報を鵜呑みにして、自分で調べずに購買に至るケースは従来と比較してかなり減ったのではないでしょうか。

※余談ですが、両親(50代後半)に検索やSNSで情報の裏取りを行った経験はあるか聞いてみたところ、主にテレビショッピング(良いことしか言わない傾向が強い)で気になった商品をレビューサイトでチェックしたり、チラシを読んで気になった服を検索し購入者の着心地に関する感想を確かめ、良くなさそうだったら店舗に足を運ぶのを止める、といった経験があるようでした。

生活者は勝手に調べて勝手に買ってます

もうひとつ、検索エンジン・SNS・スマートフォンの普及によって変化した生活者の行動があります。

↑の段落とも関連することですが、生活者が主体的に情報を得られる環境が生まれた結果、全てが生活者主体で完結する購買行動が増えてきました。

一例として自分の購買経験の話をさせていただきますが、1年前、引っ越しに伴って新しい家具を買わなければいけなくなったときがありました。新居は駅チカになった代わりにスペースが狭いので、レイアウトもコンパクトにしなければいけません。なので、自分と似たような境遇にいた人がどんなレイアウトにしているのかを検索したり、友人に聞いたりして大まかなレイアウトを決めました。その後は良さげな商品を検索で探し、目星をつけた商品のレビューをそれぞれチェックし、比較検討して購入を済ませました。購入した家具は気に入っており、今も大事に使っています。

つまり勝手に調べて、どんな商品を買うのがベストなのか勝手に理解して、勝手に買ってるんですよね。
こういう行動を取る消費者のことを、自ら学ぶ買い手たち(Self educating buyers)と呼ぶそうです。

米国のマーケティングエージェンシーのファンダーであるTom Martinが、「今の時代はお客さんを教育し、説得する時代ではなく、お客さん側が購買前に自らを教育し、学んでいくのだ」ということを1ワードで表した言葉です。

Self-educating buyersという言葉を聞いたことはありますでしょうか?

買い手が自ら学習する時代においては、生活者に何かを仕掛けて振り向かせるよりも、生活者それぞれが行っている情報収集プロセスのなかに入り込むことのほうがより重要なのではないでしょうか。

生活者が向いている方向に入っていくマーケティングを

前置きが長くなってしまいましたが、以上のような背景から、僕は”デジタル時代のマーケティング”はマーケティングの主導権が生活者側に渡った時代のマーケティングのことだと思います。

生活者間で絶えず交わされているコミュニケーションの輪のなかにウザがられることなく入っていくにはどうすればいいか、「勝手に調べて勝手に買う」プロセスのなかに自社が入り込むには何が必要なのか、生活者を介して共有される情報と共有されない情報の違いは何か。これらを考えること。生活者を振り向かせようとするのではなく、向いている方向に入っていくという姿勢だと思います。

※おまけ
インフルエンサーマーケティングは生活者間で交わされるコミュニケーションに入っていくためのひとつの手段ですが、やり方が悪いと結局従来と発想の変わらない土足マーケティングになってしまう、というブログを先日書きました。ご興味ある方はぜひ。


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